松下vs一太郎
なんかこう、淋しくなる事件だなあ。 「13Hz!: ジャストシステム vs 松下電器、訴訟問題関連記事一覧」にあるリンクの先やトラックバック元とかでたいていの関連記事は読めると思います。
まず最も根本にあるのはソフトウェアに対する特許ってどうよ? っていう問題なんだと思う。 優れた技術はそれを考案した人に富をもたらすべきだし、卓越したソフトウェア技術は保護されるべきでしょう。 でもね、その方法が従来からある特許というシステムでよいのかどうかはもっとこう、議論された方がいいんじゃないかな。 私には「こういう仕組みがいいんじゃないか」という提案はできないけれど、昔ながらの特許システムはソフトウェア技術には合わないように思います。
そして裁判。 ソフトウェア技術に明るくないだろうと思われる裁判官が判断しなきゃいけないわけですよ。 だから「アイコンかどうか」なんていう的外れな方向に行っちゃう。 裁判のシステムの中に、そのソフトウェア技術(あるいはソフトウェア特許)の独自性・独創性のキモとなっているのはどこなのかを判断できる人を入れることはできないものか。 クリックする場所に書かれているのが文字だけなのか絵を含むかなんてのは、ソフトウェア技術の本質とは全然関係ないよって教えてあげる人はいないのか。 さらに欲を言えば、特許の20年という寿命がソフトウェアにとっては気の遠くなるような長い長い時間であるという特殊な事情を考慮することはできないものか。
さてさてさて。 今回の事件では松下に悪いところはないです。 いろいろサイトを巡ってると「大企業がオトナゲない」という意見を多く見ますが、内容がどうであれそれが特許として認められている以上それは守られなければなりません。 法律がある以上守らなきゃいけないんだよ。 その法律が腐ってるなら破ってもいいと考えるのではなく、法律を変えていかなきゃ。 とはいえ感情としては「あなたには失望したわ>松下」ってとこです。 ただ、松下製品不買運動とかはちょっと違うと感じます。 だって悪いのは松下じゃなくてソフトウェア特許という仕組みだもの。 ジャストシステムは特許に抵触していないとするよりは、それは特許として認められるような技術じゃないよって方向で特許は無効だという裁判にした方がいいんじゃないかな、なんて素人が無責任に言ってみるテスト。
追記。 不買運動に関して。 今の自分の感情とは少し違ってるというだけです。 不買自体を否定するわけではありません。 「松下電器産業製品不買運動《ヘルプアイコン特許》」とかで宣言して実行している人の気持ちは分かるし、その行動は意味があることだと思います。